Web3・メタバースが作りだす驚愕の未来【AI時代に人はどう生きるべきか】

  • 2022年12月7日
  • 2022年12月20日
  • LIFE, WORK

カインズサービス「メディア事業部」の山田です。

インターネット界隈では、常に新しい技術が生まれています。

新しい技術やテクノロジーが生まれる度に、私たちの生活は豊かになり便利になっていきますが、その多くのメリットと引き換えに、失っているものがあるのも事実です。

佐々木俊尚氏の著書である「Web3とメタバースは人間を自由にするか」では、「AIとテクノロジーによる支配と隷従は、エリートと一般人に社会を分断し新たな階級社会をつくっていこうとしている。」という問題提起をしています。

AIやテクノロジーが発達して私たちの生活が便利になっていくのは喜ぶべきことですが、その反面、AIがもたらすこの先の未来に対して、漠然とした不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。

今回は、あらためて今後の私たちの生活を大きく変えていくであろう「Web3(ウェブスリー)」というムーブメントについて詳しく解説していきます。

✔︎本記事の内容について

  • Web1~Web3までの進化と歴史
  • Web2が残した問題点とは
  • Web3で何が変わるのか

本記事を最後まで読むことで、「Web3(ウェブスリー)」がもたらす人類の生活の変化について理解できるようになります。

Web1~Web3への進化について解説

Web1~Web3への進化について解説

Web3を語るうえで、これまでのインターネットの歴史を遡ってみましょう。インターネットには現時点で、Web1からWeb3までの歴史があります。

Web1の時代

Web1は「ホームページ時代」「インターネット黎明期」とも呼ばれますが、インターネットが一般的に普及された時期です。

Web1の時代

個人でWEBサイトを作る人もいましたが、WEBの知識がない人は情報を発信することが難しい時代でもありました。

また、WEBでのコミュニケーションが一方通行で、今のように双方向でやりとりできるような時代ではありませんでした。

Web2の時代

その後のWeb2は「SNS時代」とも呼ばれており、ソーシャルメディアが出てきたことで、情報発信の難易度が下がった時代ともいえます。

誰でも手軽にSNSを使って発信できるようになり、ユーザー間でのやりとりも当たり前の時代になりました。

Web2の時代

「GAFA」という言葉が生まれたのもこの時期で、GoogleやAmazonといったビッグテックのプラットフォームのおかげで非常に便利にはなりましたが、その反面、ビッグテックのサービスに依存せざるを得ない時代であったともいえます。

Web3の時代

そして、2020年からブロックチェーンという技術が世の中に出てきたおかげで、様々なインターネットサービスが生まれました。それがWeb3時代の始まりとも言われています。

Web3の時代

ブロックチェーンとは、ネットワークの参加者同士で取引履歴を共有し、情報の改ざんができない「ブロック」を「チェーン」のようにつないで「蓄積する仕組み」のことです。

ブロックチェーンは「分散型台帳」とも言われています。

一企業が所有している取引履歴は管理者が担保しているので変更することは可能ですが、ブロックチェーンは各取引履歴がブロックのようにつながっており、一つだけ改ざんするということはできません。

Web2の問題は個人情報管理にある

Web2の問題は個人情報管理にある

「Web2」までのインターネットは、「中央集権型のインターネット」と言われており、一部の力のある企業や組織に管理権が集約されていました。

そのような背景からも、Web2では以下のようなことが問題点として挙げられています。

  • ビッグテックによる個人情報独占
  • セキュリティの問題
  • プライバシー侵害の問題

これらはすべてユーザーの個人情報に関連するような問題点ですが、具体的な事例をもって解説していきます。

Web2は個人情報が「広告ビジネス」に利用されている

Web2は個人情報が「広告ビジネス」に利用されている

Web2の問題点として、よく挙げられるのが、GAFAMといったビッグテック企業による「個人情報の独占」です。

氏名、生年月日、住所、メールアドレス、クレジットカード情報、各プラットフォームのパスワード、ネット検索した内容など、多くのユーザーの個人情報は、ビッグテック企業に集約されています。

このように多くの個人情報は、今現在も「広告ビジネス」に利用されています。

行動ターゲティング広告のメリット・デメリット

ネット検索の履歴をもとにした広告表示は典型的な例ですが、「白髪染め、おすすめ」とネット検索しただけで、全く関連がないメディアを見ている時に、「白髪があると老けて見えますよ」といった、ユーザーの悩みに訴えかけるような広告が表示されることでしょう。

このような広告を不快に感じるというユーザーもいるのではないでしょうか。

個人情報保護の観点で言えば、海外ではビッグテックによる個人情報の独占に対して厳しい意見が出ています。

その一方で、インターネット広告があるからこそ、新しい情報や、興味ある商品に出会うことができるので、一概に悪い面ばかりとはいえない部分もあります。

また、ユーザーのプライバシーと引き換えに、ビッグテックが提供するあらゆるサービスを無料で使えているのも事実です。

ビッグテックの提供している検索や地図やSNSなどのサービスは、プライバシーを吸いとられる代わりに無料や安価でサービスを受けられるというメリットもあるからだ。お金に余裕のない人にとっては、これは福音である。

Web3とメタバースは人間を自由にするか

多くのユーザーは、ビッグテックに支配される代わりに、生活を豊かにするサービスを無料で使わせてもらっているといっても過言ではありません。

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Web3というムーブメントで起きる変化とは

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これから本格的に訪れる「Web3時代」には一体何が変わるのか?という点について解説していきます。

  • 文章生成AI・画像生成AIによる仕事の変化
  • メタバースとリアル空間がつながる
  • 贈与経済が浸透してくる

文章生成AI・画像生成AIによる仕事の変化

AIの進化は著しく、文章生成AIの「GPT-3」は関連した見出し文章を打ち込むだけで、ものの数分で1000文字程度の文章を書き出します。

また、画像生成AIの「ステーブルディフュージョン」「ミッドジャーニー」といったサービスでは、キーワードを打ち込むだけで、プロのイラストレーターが制作した絵に、引けをとらないクオリティの絵が1分程度で作成されます。

人間のイラストレーターや画家なら何ヶ月もかかる仕事が、ほとんど一瞬のうちに完了してしまうのだ。おそらく近い将来に単なる挿し絵を描くというだけのイラストレーターの仕事は消滅していくだろう。傑出した人間の能力がなければ作れないような、アーティスト性のある才能だけが人間の側に残っていくのではないかと思われる。

Web3とメタバースは人間を自由にするか

人間が時間をかけてやっていた作業が、AIなら指示を出すだけで瞬時に、人間以上のクオリティで生み出すことができます。

この流れが一般化した時には、人の働き方にも大きな影響を与えるようになるはずです。

メタバースとリアル空間がつながる

韓国の自動車メーカーであるHyundaiが「メタモビリティ」というコンセプトを提唱しています。

メタモビリティとは「メタバース」と「モビリティ」を掛け合わせたコンセプトで、「空間の移動」と「情報の移動」を組み合わせて考えられたものです。

このメタモビリティはいろんな応用が考えられる。たとえば工場で働くロボットを、遠い土地から人間が操作するのもメタモビリティである。新型コロナ禍ではリモートが普及したが、リモートワークがパソコンを使ったデスクワークだけでなく、現場の仕事でも導入できるようになるかもしれない。

Web3とメタバースは人間を自由にするか

メタモビリティが一般的になると、人類は物理的な移動を支配することができるわけですが、今後は「人の五感」を伝えられるメタモビリティも実現可能なところに来ています。

視覚や聴覚だけでなく、触覚・嗅覚・味覚まで表現できるようになったら、仮想空間の中で生活ができるようになるので、映画の世界のような現実がいずれは待っているのかもしれません。

トークンエコノミーがもたらす贈与経済

「トークン」とはブロックチェーンを使って発行される暗号資産のようなものです。

書籍「Web3とメタバースは人間を自由にするか」では、社会は「貨幣経済」を中心としながらも、トークンエコノミーを主体とした「贈与経済」を取り入れていくことで、新たな経済圏を作り出すことができると指摘しています。

現状のウェブ3におけるトークンエコノミーは、トークンという通貨を発行することによって、たとえば作家やミュージシャン、映画制作者などのクリエイターをとりまく新しい経済をつくるというようなことが言われている。

Web3とメタバースは人間を自由にするか

トークンエコノミーの特徴は、これまでの経済圏では「価値がない」と判断されていたモノやサービスに付加価値を作り出せることや、銀行に頼らない「資金調達」が可能になることです。

「誰かを応援するためにトークンを所有する」という贈与システムが当たり前になると、お金の在り方や生きる上での価値観も大きく変わっていくのではないのでしょうか。

誰もが消費者であり、生産者であり、出資者にもなれる、という時代が近い将来に待っているのかもしれません。

Web3とメタバースは人間を自由にするか

Web3とメタバースは人間を自由にするか

今回は、Web3・メタバースというムーブメントで私たちの生活はどう変わるのか?というテーマについて書かせていただきました。

日本ではまだまだバズワードなだけに、簡単に想像ができない世界観ではありますが、AI・テクノロジーの進化は止まることがなく、むしろ年を追うごとに成長スピードが速くなっています。

2045年にはシンギュラリティ(技術的特異点)という、AIが人類の知能を超える日が来ると言われていますが、2045年よりも速くなる可能性があるとも予想されています。

これから来る未来に備えて、必要な知識を取り入れおくことも大事ではないでしょうか。

Web3について学びたいという人は、本記事で紹介した佐々木俊尚氏の「Web3とメタバースは人間を自由にするか」がおすすめです。

気になるという人はぜひチェックしてみてください。

カインズサービス「メディア事業部」では、今後も仕事に役立つ情報にフォーカスして特集していきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。